エルテクス技術 コラム随想 ⻑⾕Hase No.2 
     
 
  x⽉yy発信のETAP Newsletter のコラム第1 号ではCOVID19 の等⽐級数的感染⼒のことだけで スペースが尽きた。 パンデミックスがどんなに厳しくても、⼈間社会の営みを⽌めるわけにはいかな い。気を取り直して今回はETAP 的話題に集中してみたい。
  私は電⼒・動⼒関係の技術者諸⽒から「短絡故障計算シミュレーションの時に発電機の定数として x"d, x'd, xd をどのように使い分けるのですか? 何かルールがあるのですか?」という質問を受けるこ とがたびたびある。 そんなとき、私の答えは決まっています。「ルールなんかないですよ。 貴⽅は楽 観的な解と悲観的な解のどちらが欲しいのですか。もしも悲観的(安全サイド)の解を望むのならば x"d, x'd, xd の中からそのようになる定数を選べばよいのですよ。飽和値,⾮飽和値の選択についても同様です よ。」と答えます。
  具体的に考えましょう。 保護リレーの応動検討が⽬的ならば3 サイクル未満の主保護応動に対して はもちろんx"d 、後備保護ならばx'd ですね。さらに1 秒以上の時限OC リレーやFuse が対象ならば定常 計算ですからxd となりますね。
  新設する遮断器の遮断容量の検討ならばどうでしょう。 遮断器の遮断可否は短絡容量だけできまる ものではありません。μSec オーダーの雷サージ/開閉サージの振る舞い、その結果として遮断器極間に ⽣ずる回復電圧(RV)/過渡回復電圧(TRV)/過渡回復電圧上昇率(RRRV)等が関係してその性能限 界を簡単に表演することは不可能です。また将来の系統の容量の増加や変則系統運転時の対応等も考え ねばなりません。 ⾶び切りConservative に考えてx"d (飽和値)を採⽤すべきです。
  保護リレー協調の確認等を⽬的とする事故時の過渡安定度解析ではもちろんx"d ではなく過渡安定度 が厳しくなるx'd を使うことになります。 また定態安定度や秒オーダーでゆっくり進む動態安定度解析 ならばxd を使うこともあるでしょう。
  ケーブルのサイジングではどうか。 連続通電容量だから定常計算でxd を使って計算することになり ます。 ただし忘れてはいけないのはケーブルの各布設断⾯の温度上昇はその個々の地点の断⾯での熱 収⽀で決まるということです。空洞管路、砂埋設、⽔中等々各布設断⾯毎に放熱特性が全く異なりますか ら電気計算だけでは完結しませんね。 なお短絡時の短時間通電容量や機械的応⼒等の検討、さらに常 時の不平衡電流によるシース電流(両端接地の場合)の確認、シース電圧(⽚端接地の場合)等の検討も 必要となりますね。
  シミュレーションには電気計算だけでは収まらない電⼒技術の知⾒と柔軟な姿勢が求められると思い ます。
 
     
 
 
 
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