ETAP同好の皆さん、内外多事多難な2024年も終わって2025年の新年を迎えました。あけまして
おめでとうございます。 明治維新が1867ですから今年は明治150年、そして21世紀の第2コーナー
をの始まりでもあります。
2024年は皆さんにとってどんな年であったでしょうか。 2024年は世界的にはウクライナ・パ
レスチナ・シリヤ等々で戦火が続きました。ロシア・ウクライナ戦争はまもなく地上戦
1100日超え。近代戦としては第1次・第2次大戦と朝鮮戦争以来のことで、当事国の人々に
同情を禁じえません。パレスチナの人々も、また何も知らされずにロシア・ウクライナ戦
争に派遣されてしまった北朝鮮兵士も本当にお気の毒なことです。ホモサピエンスはあま
りお利口になっていない感がありますね。
我が国の2024年は能登半島大震災という不幸なに始まりました。 世界の激変とは裏腹
に、わが日本の政治と云えば明けても暮れても政党資金規正問題ばかりでそのほかの大事
は全くなきが如きで能天気なものとの感想を持たざるをえません。 我が近隣では台湾有
事や朝鮮半島の暴発などが懸念されること多く前途多難な状況なのにこれで良いのでしょ
うか?
ただその中で日本の経済情勢は明らかにトンネルを抜け出て前進し始めたように感じま
す。少なくともバブル崩壊以来の失われた25~30年といわれた長い暗闇時代やコロナの窒
息状態よりは活気に満ちた環境の2024年であったろうと思います。 電気&エネルギーの
状況については2011年3月11日の超不幸な太平洋東部大震災いらい「クリーンエネルギ」
&「脱原子力」の大音声ばかりが聞こえてきましたが、どうやら最近では潮目が変わりつ
つあって、より現実的な視点での世論形成が出来つつありますね。これは悦ばしいことで
しょう。
日本の明るい話題として、若い世代の人たちの活躍も目立ってわが日本の新世代も捨て
たものでないという思いもあります。例えば大谷君。昭和の時代に連戦連敗の日米野球を
見てきた私の世代としては隔世の感があります。 また藤井聡汰君。 ボクシングの井上
尚弥君。 囲碁の中邑すみれちゃん。 そしてクラシック音楽好きの人ならご存じの天才
バイオリニストのひまりちゃん12才は今年はベルリンフィルのソリストとして登場です。
日本の社会が久々に上向いて、現役の世代の皆さんがゆとりの気持ちをもって活躍され、
少子化にも歯止めがかかることを期待したいものです。
新年ご挨拶がわりの前置きが長くなりました。 話題をETAPに戻します。昨年11月20日に東京新
橋の航空会館で開催されたETAPユーザ会は大集会室が満席で大変な盛り上がりでした。 三井さん
の采配よろしく片山さんらスタッフの行き届いたアレンジもすばらしかった。 常連の西さん(元旭
化成)の説得力あるレクに始まりNTTファシリテイーズ臼井さん ENEOS山崎さんらの素晴ら
しいプレゼンを聞かせていただきました。そしてもう一つ、ETAP社の総帥CEO Tanuj Khandelwal氏
も東京に駆けつけての特別講演は聴きごたえがありました。 Tanujはと亀田さんと私の3人共著で
2020年1月にWiley 本を出版しました。 それで今回旧交を温めることもできて格別エンジョイさせ
ていただきました。
日本ETAPユーザ会も年を重ねて益々賑やかになり、また利用者相互の連帯感も増してきました
ね。 ご同慶の至りです。皆さんの講演を聞かせていただいて感ずることですが、ETAPを活用
されている会社も技術者諸氏の数も増え、またその活用レベルも年々向上しつつあることを実感し
ます。 経済が上向きに転じて各社の設備投資等の計画が増加傾向にある事が勿論背景にあるかと
思いますが、もう一つはETAP人口自体が拡大していることが大きいと思います。 コロナ以降にお
いてETAPの使い方を習うRemote講習が英語日本語で身近で当たり前になりつつあることも一つの追
い風ですね。今後は益々ETAPに挑戦される諸氏が増えていくことでしょう。かく申す私はTanuj氏
&亀田氏と共著でWileyから厚い本を出版(注)したご褒美でETAP Academy 版をいただいているので
すが使い方はビギナーでこれからもっと使いこなす努力をしなければと思っています。
さて皆さんには私のつたない徒然草に毎度お付き合いをいただきありがとうございます。 新年
もまたあれこれ好き放題に書かせていただきますがどうぞよろしくお願いいたします。
今回は新年の一区切りですので、執筆を続けさせていただくにあたり“私の抱負”を少々。 昨
年後半から綴っているような電気科学史・電気電力記述史的な内容はようやく19世後半辿り着きま
したが、まだ肝心のWeberやMaxwellなどが残っていますのでこれを終わらなければ20世紀に辿り着
けません。
それにしてもこのテーマでの私の執筆目的は巨人たちの伝記ではなく技術的業績ですからどうし
ても方程式などを沢山交えた解説になってしまいます。 徒然草と云っても結構固い話になって
しまう傾向をいささか反省しています。 新年の抱負ですが、昨年7月から書き始めた電気電力技術解
析技術法発展史をあと数回かけて書き終えるつもりです。 その次には日本において明治・大正・
昭和戦前・戦後・平成の時代を経て今日につながる電気・電力インフラ発展の歴史をより社会&産
業という視線で書き綴ってみたいと思っています。皆さんの応援をよろしくお願いいたします。
今回は21世紀第2コーターの初頭ということで久々に方程式なしのご挨拶とさせていただきます。
皆さん新年もどうぞよろしくお願いいたします。
注)Wileyのhomepage をご覧ください。英語版なので誰も買ってくれません。
https://www.wiley.com/en-jp/Power+System+Dynamics+with+Computer-Based+Modeling+and+Analysis-p-9781119487449
(2025年1月3日 長谷良秀 記)